CARAVANSERAI ( SANTANA ) / 1972年10月発売 |
私がこのアルバムを初めて聴いたのは 発売直後のNHK の FM 放送で 夜 7時15分から8時まで 45 分間、1 枚のアルバムを全部紹介する番組でした(その頃はLP1枚がほぼ45分でした。今 この様な番組がなくなったのは残念です)。
虫の声からはじまる 1 曲めの「Eternal Caravan of Reincarnation」を聴いた時からこのアルバムがすばらしいことが予感されます。事実、このアルバムは SANTANA の傑作として呼び声高く、名盤と評価されています。1999年に発売され、グラミー賞 9 部門を独占した「SUPERNATURAL - スーパーナチュラル」も すばらしいアルバムでしたが、それを上回るSANTANA の最高傑作と思います。ラテンロックという分野を前 3 作で確立した SANTANA がさらに ジャズの要素を持ち込んで作品のクールさを作り上げることに成功したといえるアルバムです。
世の中に名盤と言われる作品は たくさんありますが、最初から最後まで 一気に聴いてしまうようなアルバムはそうありません。「CARAVANSERAI」は数少ない貴重な1枚です。
5 曲目の「Song of the Wind」はこのアルバムの名曲の1つで カルロス・サンタナのサスティーンの効いたギターに迫力あるパーカッションが絡み合って 盛り上がって行き、7曲目の「Future Primitive」では パーカッションの嵐です。10曲目の「Every Step of the Way」では相変わらず はげしいパーカッションのリズムに加えて 砂漠の広大さ、熱さをイメージさせるカルロス・サンタナの激しいギターが加わって 本作の最後の曲にふさわしいすばらしい曲に仕上がっています。最後まで 一気に聴いてしまうと ほっと一息つきたくなります。
このアルバムを今迄何回聴いたことでしょう。私が最も気に入っているアルバムの1枚です。これから秋にかけて聴くのが最もふさわしいと思います。