1960年代後半から70年代前半にかけては、類まれなる才能を持ったロックアーティストたちが次々と台頭し、それまでの既製のジャンルには属さない音楽を創造していった時代でした。 多くのミュージシャンやアーティストたちにより、現在に至るまで受け継がれている数々の伝説的なギターリフ(曲中何度も繰り返すギターフレーズ)のほとんどはこの時代に生まれ、当時の私はその虜になりました。 今から40年前後の時を遡るこの時代は「Classic」と言われますが、「ロック黄金期」とも呼ばれ、ロック界いや音楽界の至宝とも言えるすばらしいアルバムが次々と生み出され、今でも聴き継がれています。「Classic」どころか、その輝きは未だに衰えることを知りません。ロック黄金期をリアルタイムに体験できたこと、そして現在もこれら宝物のような音楽を聴き続けられることを私はたいへん幸せに思います。
2016年5月3日火曜日
ERIC CLAPTON 日本武道館公演 16 April, 2016
Eric Clapton の2016年日本武道館公演、3夜めの4月16日に行ってきました。昨年4月のPaul McCartney公演からちょうど1年ぶりの武道館でした。会場内にはCREAMの頃からのファンと思われる杖をついたお年寄りもみられました。
開始予定時刻を約5分ほど過ぎた頃 客席の照明が消えて Ericの登場です。右後方から歩いてステージ中央まで来るとMCなしで静かに一礼、そして演奏がすぐ始まりました。何とステージ衣装は3本線のジャージです。リハーサルのような格好です。ファッションにはうるさいEricのことですから考えがあってのことかもしれません。しかし 歩き方もお年寄りのようです。うわさによるとどうも持病の腰椎椎間板ヘルニアの状態が悪いようです。座っての演奏が多かったのはそのせいでしょうか? 過去に海外公演が中止になったこともあるそうです。本人もツアーの移動が苦痛だと言ってます。このような状態で来てくれただけでもうれしいですね。しかしうわさどおりこれが最後の日本公演になってしまうのでしょうか。来年は招聘元のウドー音楽事務所創立50周年です。Ericと有働社長の40年以上にわたる長い付き合いを考えると希望がもてます。
Set list は満足できるものでした。演奏自体も素晴らしかったです。Somebody's Knockin', Key To The Highway, Nobody Knows You When You're Down And Out などは何度聴いても飽きが来ません。なんといっても I Shot The Sheriff (見事なカッティング! ), Crossroads, Cocaine といった曲を生で聴けたのはClassic Rockのファン にとって一生の思い出となるものでした。あのギターの音は生で聴くと素晴らしいですね。歪んだ音はエフェクターを調節すればいくらでも出せますが、Clapton の様にちょっと歪ませたきれいな音は簡単に出せるものではありません。God と言われた人にしか出せない音があるようです。アンコールでは多くの人が期待したLaylaはなく、挨拶もなく帰ってしまったEric Claptonですが、 そこが CREAM 時代を思い起こさせるcool なギター職人として大絶賛したくなります。
2016年2月25日木曜日
WISH YOU WERE HERE, 炎~あなたがここにいてほしい ( PINK FLOYD )
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WISH YOU WERE HERE (PINK FLOYD) / 1975年9月発売 |
1975年に発売されたPINK FLOYDのアルバムで全英・全米第1位という大ヒットを記録しました。ジャケットはPINK FLOYDには欠かせないアートワーク集団ヒプノシス(Hipgnosis)によるものです。邦題の「炎~あなたがここにいてほしい」は日本での発売にあたって メンバーからの要求によるものといわれています。
先に紹介したロック史に燦然と輝く不朽の名作といわれる「THE DARK SIDE OF THE MOON(狂気)」が 当の本人達も二度と超えることのできない完成度を誇る歴史的名盤というのは多くの人々が認めるところです。しかし、そうであったために必然的に次作品には全世界からの期待がかかり、相当な重圧のもと 遅々として進まないレコーディングでバンドが解散寸前まで追い詰められて完成したのがこのアルバムであるといわれています。
私はこのアルバムを30年以上聴いていますが、David Gilmourの刺激的ではあるが時に心地よく眠気を誘う彼のベスト・プレイといえるギターが聴けるすばらしいアルバムと思っています。
メンバーは否定していますが、「Shine On You Crazy Diamond」と「Wish You Were Here」はデビュー前から独特のカリスマ性をもって実質的にリーダーとしてバンドを牽引してきたSyd Barrettにささげられた歌だといわれています。
このアルバムの一番の聴きどころは始まりと終わりに分けて収録された「Shine On You Crazy Diamond」です。なかでも曲のほとんどを埋め尽くしているDavid Gilmourのギターは すばらしいの一言です。ただのProgressive Rockのギタリストではありません。彼のブルースを基調としたリフは要所で聴く人を引き付け、刺激します。彼の泣きのブルース・ギターといわれるプレイこそがPINK FLOYDの魅力であり、その後のバンドにおけるギタリストとしての地位を確固たるものとしました。また この曲におけるRichard Wrightのシンセサイザーも 曲に幻想的で重厚感のある雰囲気を与えるのに非常に貢献していると思われます。
このアルバムはすばらしい作品だと思いますが、評価が今一つなのは 大作「Shine On You Crazy Diamond」の間にはさまれる「Welcome To The Machine」「Have A Cigar」「Wish You Were Here」のできがいま一つなのが原因になっているのかもしれません。前作があまりにもすばらしかったので仕方のない結果なのでしょうか。
SS
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