2010年11月27日土曜日

LED ZEPPELIN III (LED ZEPPELIN)



LED ZEPPELIN III ( LED ZEPPELIN ) / 1970年10月5日発売(英)
 

 LED ZEPPELINは 一般に単なるハードロックバンドの一種であると誤解されやすいのですが、アコースティックギター中心のトラッド・フォークナンバーに も力を入れ、さらに中東風民族音楽的な要素も積極的に取り入れ、その音楽的独自性を高めて行きました。そのはじまりがこのアルバムと言ってよいでしょう。 B面は田舎の牧歌的な雰囲気を感じさせるアコースティック・ナンバーが収録されています。私はZEPのこういった路線変更が好きになれず、LPの頃はB面 は一度聴いただけで その後は全く聴くことがありませんでした。CDが発売されて全曲通して聴けるようになってからもアコースティック・ナンバーは好きに なれず 聴いていませんでした。やはり LED ZEPPELIN I, IIの轟音ブルースロックを継続して欲しかったと思いました。

さて 1曲目のImmigrant Song-移民の歌 ですが この曲は すごい曲です。中世のバイキング伝説を歌ったものですが、始まりの独特のリフがやたらと闘争心をかき立て血圧が急上昇してしまいそうです。

3 曲目の Since I've Been Loving You は マイナー調ブルースですが、ZEPの名曲の1つに挙げてよい曲と思います。ライブではかなりの回数演奏された曲の1つですが、公式ライブ版となった The Song Remains The Same(1973年N.YのM.S.Gでのライブ)での 演奏が私は一番気に入っています。この曲はbootleg(海賊盤)にも多く収録されています が、出来不出来の差が大きく、その日のジミーペイジの調子がすぐ分かってしまいます。1975年以降のライブでは 出だしのチューニングがあってないもの もあります。

このアルバムで私が気に入っている曲はこの2曲のみです。
ともかく このサードアルバムから彼らの音楽に対する考え方が変わって来た様で、単なるハードロックバンドというレッテルを貼られないように幅広い音楽を模索している様な気がします。
そして このような流れの中から あの有名なアルバムである LED ZEPPELIN Ⅳが生まれたのです。

2010年11月22日月曜日

LED ZEPPELIN II (LED ZEPPELIN)


LED ZEPPELIN Il ( LED ZEPPELIN ) / 1969年11月8日発売(英)


1stアルバムが発売され、まだ売れている同じ年に発売されたアルバムです。1stアルバムでの勢いは全く失われず同じコンセプトで作られています。 Stairway to HeavenやAchilles Last Standといった名曲の入った他のアルバムもありますが、アルバムトータルとして見た場合、個人的にはこのアルバムがNo.1であると思います。

何 といってもLED ZEPPELINの看板曲であるWhole Lotta Loveが1曲目です。このギターリフはZEPの曲の中でも最高で これにさらに強力になったベースとボーカルがかぶさり、さらにボンゾの爆裂ドラムが 入ってくる。一度聴いただけで興奮状態です。途中の ギターソロなどは本当にカッコよく、これを聴くとジミーペイジは 作曲、アレンジで すばらしい才能のある人で、ギターテクニックの すばらしい クラプトンもベックも音楽プロデュースの点ではペイジに及ばないと思われます。

この 曲に続くLemon Song, Heart Breakerのリフも一度聴いたら忘れられません。とにかくこのアルバムは全曲すばらしく、無駄な曲が一曲もありません。ジミーペイジ自身 シカゴブ ルースの父と言われるMuddy Watersに多大な影響を受けたというだけあって このアルバムは全曲ブルース系の曲で占められており、これが私がこのアルバムを一番気に入っている理 由でもあります。

2010年11月11日木曜日

LED ZEPPELIN I (LED ZEPPELIN)



LED ZEPPELIN I ( LED ZEPPELIN ) /1969年1月12日発売(英)
 

BeatlesのABBEY ROADを書いてほっとしたところで いよいよLED ZEPPELINです。
私がBeatlesと同じくらい好きなグループです。あのギターリフは強烈です。35年以上も頭の中を回り続けていて離れません。何かに集中しようとするとWhole Lotta LoveやImmigrant Songのあのリフが出てくるのです。50代半ばになるオジサンが聴いて今でもカッコいいと思ってしまう所がLED ZEPPELIN のすごいところでしょう。

1969年はABBEY ROADが発売された年でBeatlesが最高峰ではあったものの、この頃 既にジミヘンドリックスやクリームがロックの新しい流れを作っていました。しかし 彼らは ロックを大きく変えたのですが音楽がやや難解でマニア受けしたものの、一般大衆受けしてレコードが爆発的に売れたわけではありませんでした。ところが1969年1月にLED ZEPPELIN(日本ではツェッペリンとドイツ語読みしていますが、ジミーペイジはインタビューでは英語読みでゼッペリンと言っています)の1st アルバム、LED ZEPPELIN I が発売されると新世代のロックファンから熱狂的に受け入れられました。LED ZEPPELIN (以後ZEPと略す)は エリッククラプトンやジェフベックを生み出したYardbirds最後のギタリストとなったジミーペイジが各パートのメンバーをそろえて結成されたグループです。

ところがこのメンバーが偶然性も加わってオーソリティーとも言えるとんでもない力量のメンバーだったのです。ボーカルのロバートプラントはペイジの大音量のギターを物ともしない音域の広さと声量で世界のロックボーカリストの中でも最高峰に数えられています。ベースのジョン・ポール・ジョーンズのベースプレイは高く評価され、Beatlesのポールマッカートニー、The Whoのジョン・エントウィッスル、Creamのジャックブルースらと共に近代ロックベースの創始者とされています。そして何といってもドラマーのジョンボーナム(ボンゾというニックネームが有名)は ZEPの最大の魅力とされ、その強烈なドラミングは70年代以降のロックドラミングの原型にして理想像とされ、後世のドラマーに与えた影響は計り知れないものがあります。

一方でジミーペイジはこの頃の三大ギタリストと言われていますがその技量に対する評価は様々です。私はbootleg(海賊盤)を集める趣味があり、公式には出ていないZEPの1969年ぐらいから解散する1980年ぐらいまでのコンサートのbootlegを持っていますが、素人の私が聴いて本当にギターがうまいと思うのは1975年ぐらいまでで その後は 弾き間違いが多かったり、チューニングがおかしかったりとさんざんなコンサートが時にあり(もちろんbootlegの名盤と言われる1977年のListen to this, Eddieなどの名演奏もあるが)、他のメンバーにずいぶん助けられていることが結構あります。薬物中毒が原因とされていますが詳細は不明です。しかし 早弾きだけが得意のギタリストは他にいくらでもいますが、ペイジの優れているところは 後世に残るようなすばらしいギターリフを数多く作った作曲家としての才能やZEPのレコードをすべて自分でプロデュースしたプロデューサーとしての才能でしょう。

前置きが長くなりましたが、LED ZEPPELIN I は Yardbirdsのツアーで演奏した曲をレコーディングしたため わずか36時間で完成したとされています。ロックの名曲は,ギターリフ 一発で決まるというジミーペイジの言葉どうり、はじめから終わりまで一度聴いたら忘れられないリフの嵐です。とにかく一度聴いてもらいたい。今聴いても興奮してくるくらいなので デビュー当時のZEPがどれ程 画期的にカッコよかったかが想像できるでしょう。

このアルバムから1曲を選ぶとしたら Good Times Bad Timesでしょう。2007年の再結成コンサートでも1曲めに演奏されました。Communication Breakdownもいいのですが ボンゾの超人的なドラムが聴けるのでこの曲を選びます。
とにかく このアルバムは70-90年代の様々なロックのルーツと言ってもよいでしょう。
なお ジミーペイジと言えばギターはギブソンレスポールですがこのアルバムは全曲フェンダーテレキャスターを使っているそうです。